ゲンちゃん療育センターでちやほやされる

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

皆様、「療育」という言葉をご存じでしょうか。ダウン症の子供の場合、どうしても発達が健常児と比較してゆっくり進みます。そんな成長がゆっくりのお子様が将来自立できるように、運動などのプログラムが用意されているのです。医療機関や教育機関などがそれぞれ連携しながら、一人ひとりのお子様の特性に合わせたトレーニングを行ってくれる、何とも心強いシステムなのであります。

もちろん、ゲンちゃんも療育プログラムを受けております(施設によっては、3歳以上からというところもあるようです)。主に妻がゲンちゃんと施設に行き、理学療法士さんが1時間ほど運動のプログラムを行ってくれます。その際に、自宅でも行うプログラムも教えてもらえます。膝を曲げた状態で左右に開き、お尻が浮くように持ち上げるという運動もその理学療法士さんが教えてくれました。腹筋が鍛えられるとのことですが、見ている方は間違いなく「ほんまかいな・・・」と思うことでしょう。はい。中卒お父ちゃんも同じ気持ちです。ただ、プロが言うことなのでしっかりと従います。

そんなゲンちゃんですが、実際に施設で療育プログラムを受けているときはどうかというと、めちゃくちゃちやほやされています。というか、何をやっても褒められます。おもちゃをつかんで叩きつけても、「すごいすごい」と褒められています。理学療法士さんが女性ということも間違いなく関係していると思われます。ゲンちゃんデレデレです。完全に懐柔されています。ちょろいもんです。

そんな療育の成果なのか、なんとゲンちゃんがテーブルの上のめんつゆの入った茶碗をひっくり返したではありませんか。ちょうど中卒お父ちゃんの妻がゲンちゃんを抱えて椅子に座っていたため、手を伸ばせば茶碗に手が届く距離にいたようです。普通の赤ちゃんならば、「何やってんのも~」となりそうなところですが、ゲンちゃんの場合は違います。妻も中卒お父ちゃんも「す・・・すげーーーーー!!!!倒した!倒した!茶碗倒したぞこいつ。すごい!天才だ!」と大興奮です。ダウン症あるあるなのでしょうか。健常児では味わえない喜びをかみしめております。テーブルはめんつゆでびしょびしょです。

最近は足も積極的にバタバタするようになったゲンちゃん。いやはや、一週間だけでも相当成長するものなんですね。

それでは、前回の「ゲンちゃん前進する」よりもさらに成長したゲンちゃんでさよならです。

ゲンちゃん前進する

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

何でも黙って食べていたゲンちゃんですが、最近好き嫌いが出てきたようです。以前もなぜか枝豆のペーストは嫌がったのですが、最近は玉子も追加されたようです。なんてこったい、これでは味盲が中卒おとうちゃん一人になってしまうではないか。でも基本的には何でもバクバク食べてくれます。今後は嫌いなものリストになにも追加されないことを願います。

ダウン症の赤ちゃんだけでなく健常児の赤ちゃんを育てている方は、我が子がいつ動けるようになるのかワクワクドキドキの日々を過ごしているのではないでしょうか。ズリバイをするのが平均より少しでも早ければ、「うちの子は天才じゃないのか」と思ったりするものです。そう、あなたのことですよ。

もちろん、中卒お父ちゃんも例外ではありません。ゲンちゃんが4か月で寝返りをした時(ゲンちゃんのお姉ちゃんとほぼ変わらない)には「こいつは天才に違いない!間違いない!ぶっちぎりだ!1歳のころには歩き回り、2歳のころには走り回り、幼稚園の健常児を蹴散らし、小学校・中学校ではクラスでナンバーワンをひた走り、ゆくゆくは初のダウン症選手としてパラリンピックではなくオリンピックで金メダルや!!!「お父さん、どのように育てたらゲンちゃんのような天才が生まれるのですか?」とかインタビューされたらどうしよう!グヘヘヘヘ。」などと考えたものです。はい。現状のゲンちゃんは、目指せズリバイです(健常児ならば、立ったり歩いたりする子もいる時期です)。夢をありがとう。でも、金メダルはあきらめてないんやで。

そんなゲンちゃんですが、うつ伏せ状態で前に進んだのであります。もともとうつ伏せ状態で超信地旋回(※)はできていたゲンちゃんですが、前後の動きはできていなかったのです。そんなゲンちゃんが前進したものだから、妻と中卒お父ちゃんは大騒ぎです。さらにさらに、今回は前進できた決定的瞬間を撮影班が捉えたのです!ご覧ください!

え?これだけかって?いやいやいや、すごく前進してるじゃないですか!グイっと!ほら!ね?そうでしょ!え?わからない?いやもう一回見てください。前進してるでしょ!あとは左手でもできるようになれば、ズリバイマスターであります!行け行けゲンちゃん!人間にとっては小さな一歩だがゲンちゃんにとっては偉大な一歩であります。あ、ダウン症初の宇宙飛行士もいいですね。

それでは、地面から生えるゲンちゃんでお別れです。ではでは~。

※超信地旋回とは、その場で旋回をすることです。車の場合はその場で回ろうとしても構造上できません。前進または後進しながらでないと曲がることができません。対して戦車の場合は、履帯を左右逆方向に動かすことでその場で旋回することができます。

ゲンちゃん心臓の穴がふさがる

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

ダウン症の方の場合、どうしても合併症を持って生まれることが多いといえます。ゲンちゃんの鎖肛もその一つといえます。ただ、ダウン症の場合は心疾患、つまり心臓に何かしらの問題があることが多いようです。実はゲンちゃんもご多分に漏れず心臓に穴が開いておりました。今回はそのお話をさせていただきます。

心臓に穴が開いていて大丈夫なの?

特に医療の知識もない場合、「心臓に穴が開いている」などと聞いた日にはびっくり仰天なのであります。ところがどっこい、「いわゆる健常者の中でも、意外と心臓に穴が開いている人はそれなりの人数いる」そうです。そんな馬鹿なとお思いかと存じ上げますが、まずは心臓のイラストを見てみましょう。こんなイラストを用意しているいらすとやさんってホントすごいですよね。文字は中卒お父ちゃんが入れました。

見てのとおり、心臓は大きく右側の右心房・右心室、左側の左心房・左心室に分かれます。右心房・右心室が全身に酸素を配り終わった血液が集まり、肺に送られます。左心房・左心室はその肺から戻ってきた血液を再び全身に送り届けます。ざっくり言うと、右側は酸素が少ない血液、左側が酸素が多い血液といえます。

それを踏まえ、「心臓のどの位置に穴が開いているか」が重要になってきます。まず、右心室と左心室の間に穴が開いていた場合、何かしら問題が出る可能性が非常に高くなるそうです。右心室、特に左心室は「全身」に血液を送るほどの強い力を持っています。そんな強い力を持っている箇所に穴が開いていると、酸素が少ない血液と多い血液が混ざってしまいます。何かしらの問題が出そうなのは想像に難くないのです。

対して右心房と左心房の間に穴があった場合、意外と何ともないことが多いそうです。心臓といっても全体がドッキンドッキンしているわけではないということでしょう。そこまで大きい穴でなければ、日常生活を普通に送れる方が多いそうです。ここで最初の「健常者の中でもそれなりの人数がいる」につながります。ダウン症の赤ちゃんはしっかりと心臓のエコー検査を行います。ただ、健常者の赤ちゃんの心臓のエコー検査をすることはほぼありません。というか、何かしら問題が出たら検査するという流れになります。つまり、「心臓に穴は開いているけれど、何の問題もなく生きている人は相当数いる」と言えるのです。

え?ソースを出せって?ゲンちゃんの担当医さんに聞いたんだもん!

ゲンちゃんはどうだったか

というわけでゲンちゃんはどうだったかというと、右心房と左心房の間に穴が開いていました。とはいえ、2mmほどの小さい穴であったことと、グッタリして動かないなどの症状もなかったため恐らく問題ないだろうと判断されました。その2mmの穴ですが、約10か月の時をかけ無事ふさがったようです。これで心置きなく心臓に負担をかけられます。

とはいえ、心疾患を持っているダウン症の方は相当数います。苦労しているご両親やご本人の姿を見ると、ゲンちゃんは運がよかったと思う今日この頃です。

乱視の称号を手に入れたよ!

そんなゲンちゃんですが、ずっと受診できていなかった眼科に行きました。そして、無事乱視の称号を得てまいりました。ダウン症の場合、5~6割程度で眼に何かしらの異常があることがあるそうです。さらに、中卒お父ちゃんも嫁も超が付く近眼です。中卒お父ちゃんが裸眼で本を読むとすると、眼から10センチ以上離すともうだめです。全く読めません。眼に何かしら問題が出るのは、ある程度予想済みだったのです。ちなみに中卒お父ちゃんはレーシックを受けて、今では快適ライフを送っております。

それでは、「ひこうき~」を覚えたゲンちゃんでお別れです。本当に少しずつだけど確実に成長するもんなんですね。

ゲンちゃん鼻かぜをひく

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

ぬくぬくと生活した病院とは違い、病原体との戦いも始まったゲンちゃん。お姉ちゃん経由の鼻かぜをもらいました。子供がいる家庭のお家芸、子供から家族全員に風邪がうつるの法則であります。早朝覚醒に加え、「なぜ鼻から息ができないのだ!」という猛烈な訴えをするゲンちゃん、中卒お父ちゃんの嫁のライフがゴリゴリ削られます。ただ、たまにするくしゃみは「ペイン!!!!」です。癒されます。

そこで、まずは鼻づまり解消のため「鼻吸い機」を使います。え?「鼻吸い機」ってなんだですって?そういうものがあるんですよ。ハンディバキュームとでも言えばいいでしょうか。子供の鼻に管を突っ込んで鼻水を吸い取ります。そこで、ゲンちゃんのお顔をもう一度ご覧いただければと思います。

はい。テルマエロマエもびっくりの平たい顔族です。鼻の穴が小さいのです。管が鼻の穴から入り辛いのです。もちろんそんな管を入れることを何事もなく受け入れるほど、ゲンちゃんの肝っ玉は大きくありません。泣き叫ぶのを中卒お父ちゃんが抑え、妻が鼻吸い機で吸引します。ここでのポイントは、「母親が吸引する」です。吸引が終わり泣き叫ぶゲンちゃんを、「中卒お父ちゃん」が抱きしめてあげます。そして、「なんてひどいことをするんだ」という眼で妻を見て、ゲンちゃんの好感度アップを狙います。5回連続で行えば、晴れてゲンちゃんルート確定です。ただ、妻の好感度はダダ下がりです。注意しましょう。

ダウン症の子供ですが、健常児の子供と異なり風邪にかかりやすかったりします。また、「鼻が詰まる」→「鼻水が原因で中耳炎になる」→「中耳炎になったことに気付かず難聴になる」という悪魔のコンボが起きたりします。ダウン症の鼻づまりは油断ならないのです。というわけで、速攻耳鼻科に連れていかれるゲンちゃん。医療体制が充実している日本に感謝感激であります。

耳鼻科で出してもらったシロップ系の薬はまぁいいとして、鼻づまり用に漢方も処方されたゲンちゃん。こんな苦いものどうやって飲ませればいいんやねん的な心配も何のその、バナナに混ぜたら普通にバクバク食べます。こいつ・・・・本当に中卒お父ちゃんと同じ味盲なんだな・・・・。

薬の効果もあり、一週間ほどで完全回復したゲンちゃん。今では風邪をひく前より元気に寝返りしております。今回は何事もなくよかったよかったなのです。

ゲンちゃんInstagramデビューの巻

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

無事退院し家での浣腸生活に移行したゲンちゃん、娘の絶叫と中卒お父ちゃんのいびきに驚きの毎日です。そんなゲンちゃんですが、最近早朝覚醒なる技を覚えたようです。というのも、大体朝5時くらいから起きているようで「うーうー」とか「あーあー」とか叫びます。通常の赤ちゃんならば大泣きしてお母さんを困らせるという感じなのでしょうが、ゲンちゃんは泣きません、ただ叫びます。はい、お母さんが困ることは変わりません。

行き倒れの旅人のようにうつ伏せ状態でゲンちゃんのお腹をポンポンたたく中卒お父ちゃんの妻、そんな慰めなんのその、ゲンちゃんの叫びは止まりません。お手々をバタバタしながら叫び続けます。もちろんそうなれば妻にも限界が来ます。そこで中卒お父ちゃんにバトンタッチであります。

ただ、バトンタッチをしても中卒お父ちゃんにできることはありません。妻がやっていたことと同じようなことを自分の布団でポンポンたたいてあげます。というか中卒お父ちゃんは眠いので、ほぼ叩くことなく眠りの世界に落ちていきます。寝るのはお前じゃない、ゲンちゃんだ。

ゲンちゃんの叫びとバタバタは止まることを知りません。かわいいお手々で中卒お父ちゃんの人中、テンプル、ジョーを的確にヒットさせます。間違いない コイツ・・・中卒お父ちゃんを確実に・・・確実に殺しにきてる!いや、かわいいから許そう、でも眠ってくれ。

そんなゲンちゃんですが、この度Instagramデビューを果たしました。中卒お父ちゃんの妻のポエm・・・・・思いがこもった文章も掲載されております。もしよろしかったら、ぜひともフォローといいねをお願いいたします。

それゆけ!げんたろう
https://www.instagram.com/genchan_0426/

ゲンちゃん人工肛門とさよならの巻【後編】

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

無事人工肛門閉鎖術を乗越えたゲンちゃん、ここからが本当の地獄の始まりです。そう、1週間の絶食です。お水も飲めません。ひたすら点滴で耐え忍びます。さらに、手術後のため傷口の痛みもプラスです。「え?さすがに痛み止めが投与されるでしょ」とお考えのあなた、はい、その通りであります。ただし、通常投与されている以上の痛み止めは、ボタンを押さないと投与されません。そんな面白ボタンを押すのは、なんと、お見舞いに来ている両親です。中卒お父ちゃんにそんなボタンを渡すとか、もうワクワクが止まりません。ゲンちゃんが痛そうに泣いているときに、ボタンを連打していたのは良い思い出です。ちなみに痛み止めはしっかり制御されていて、30分に一回しか投与できないようになっています。ボタンを連打しても全く意味はありません。

ただ、中卒お父ちゃんの妻は手術翌日の泣き叫ぶゲンちゃんを見て「お腹をすかして泣いているんだ!なんてかわいそう。オロローーーンオロローーーン」と自分も半泣き状態だったそうです。いや、早く痛み止めのボタンを押してやってくれ。案の定看護師さんが来て痛み止めのボタンを押したら泣き止んだそうです。意思の疎通って大事だね!

絶食中のゲンちゃんですが、腸液は出ているようです。というか、腸液をしっかり外に出してあげなければいけません。そのため、肛門に管というか、チュッパチャップスの棒のようなものを刺していました。あまり中に入らないように、テーピングを棒にぐるぐる巻いてあります。なんだかアナログで楽しくなってきます。ちなみにこの時は点滴、背中の麻酔の管、尿を排泄する管、肛門のチュッパチャップスと管だらけです。もちろん寝返りなんかできません。

そんな管だらけのゲンちゃんですが、手術の翌日には血の混じったうんちをぶっぱなしました。妻から報告をもらった中卒お父ちゃんも大喜びです。というか、まさか人の肛門からうんちが出て感動する日が来るとは思いませんでした。タイムマシンに乗って過去の自分に「お前は肛門からうんちが出て感動するんだ」と伝えても信じないことでしょう。いや、通報するな、そんな変態が話しかけてきたら。

辛い辛い絶食を乗越えれても、すぐに腹いっぱいのご飯は食べられません。まずは50ミリリットルのミルクを数回、次の日は100ミリリットル、その次の日はミルクを好きなだけ、そして最後に離乳食となります。「ミルクを少ししか飲めないときのゲンちゃんは泣き叫ぶんや!なんてかわいそう。オロローーーンオロローーーン」と泣いていた妻とは裏腹に、ミルクの量が少なくても特に泣かないゲンちゃん、あまり泣かないのはダウン症の影響なんでしょうかね。いろいろ危惧していたのに、かなり順調に回復しました。

危惧していたこととしてお腹の傷が開くのではというものもあったのですが、開いた傷はとても小さく、ガーゼと薬を塗れば大丈夫といったレベルでした。ゲンちゃん最後の最後で再生能力:Dの汚名返上、名誉挽回です。汚名は挽回するものではありません。ちなみに塗る薬の名前は「ゲンタマイシン」です。まるでゲンちゃんのための薬のような名前です。前回も含めてとってもお世話になりました。

なんだなんだありましたが、ひとまず無事退院が決まったゲンちゃん。ここからは、「ゲンちゃんストーマ奮闘記2:ゲンちゃんは鎖肛だよ」でもお伝えしたように、朝と夜に浣腸をしてうんちを一気に出す訓練がスタートです。もちろん、やり方は入院中にレクチャーをしっかり受けます。ただ、退院の前日に中卒お父ちゃんがお見舞いに行った際に、看護師さんがダース単位で浣腸液が入っている箱をニコニコしたご尊顔で渡してきたのです。ま・・・・まさかこれを持って帰れと・・・・。
はい。持って帰りましたよ。40過ぎたおっさんが缶ビール片手に浣腸液の入っている箱を持ち帰る様は、完成された変態としか言いようがありません。いつも「最近職務質問されないんだよねー。たまには声かけてほしいよねー。」とか言って本当にすいません。マジで今だけは職務質問しないでください。本当にすいませんでした。調子に乗っていました。ごめんなさいごめんなさい。

そういえば、ゲンちゃんは元々おとなしいからなのか、病棟の看護師さんに大人気でした。退院の時は看護師さんから「まだいていいんだよー」とか言われていました。仕事中なのにわざわざお別れを言ってくれた方もいらっしゃいました。へーーーーーモテるんだねーーーーーーすごいねーゲンちゃん、え?別に妬んでないっすよ!本当だからね!勘違いしないでよね!!!

 

人工肛門とお別れする前、今ではきれいなおへそがあります。

 

もう管は外れているのですが、寝返りできないように固定されたベストを着ているおゲン

 

退院直前で調子に乗るゲンちゃん

ゲンちゃん人工肛門とさよならの巻【前編】

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

生後約9か月、とうとうこの日がやってまいりました。そう、人工肛門とおさらば、もとい、人工肛門閉鎖術が行われるのです。夢と思い出とブツが詰まっているパウチともお別れです。あまりにも人工肛門がある生活に慣れてしまって、なくなるという実感がわいてきません。正常に狂ってきてますね。

ゲンちゃんのケースでは、まず検査を受けます。手術の数日前に検査するのですが、鼻水が出ていた影響でPCR検査も追加されます。もちろん、はやり病にかかっていたら手術は延期です。結果は「電話がかかってこなければ陰性」と言われているので、妻と中卒お父ちゃんはソワソワする生活を強いられます。まぁ、結果陰性だったのでよかったよかったです。

手術の内容としては、まず人工肛門として出ている腸をお腹からはがします。そして、腸を外に引き出して硬くなった組織を5センチメートルほど切ります・・・・・はい、「腸を引き出します」ホラー映画も裸足で逃げるレベルです。ちなみに切る部分は人工肛門として外に出ていた部分です。そのままだと硬すぎてくっつかないようです。ちょうど口方面につながっている部分2.5センチ、肛門方面につながっている部分2.5センチといった感じのようです。そのうえで、切った部分を縫合し、ぬいぐるみよろしく体内に腸を戻します。最後におへそ部分を縫合して終了です。付け加えると、しっかりおへその形を作ってもらえます。手術が終わったらおへそが無くてツンツルテンになると思ってた妻も一安心です。

時間としては、前後の説明なども含めて4時間ほどが予定されています。ゲンちゃんの場合は4時間半だったので予定通りといった感じです。手術は朝一番の時間だったので、ゲンちゃん以外の赤ちゃんたちもどんどん手術室に運ばれていきます。中卒おとうちゃん的には、なんだかどんどん出荷されているように見えて、頭の中ではドナドナが流れます。ちなみに赤ちゃんたちが手術から戻ってくる時間も比較的集中します。ご両親の「〇〇ちゃんがんばったね~」という声を聴きたければ、13時前後を狙うのがおすすめです。

無事手術を終えることができたゲンちゃんなのですが、担当医の先生から手術前に気になる一言があったのです。曰く、「人工肛門を閉じた後の傷跡には、今までにないほどの雑菌がいる」そうです。そのため、傷口が再度開く可能性が高いというものです。ゲンちゃん退院が延長されるでお伝えしましたように、ゲンちゃんは傷が開いてしまった前科があります。ちなみに、肛門を造る仙骨会陰式鎖肛修復術でも傷が開いていたようです、立派な再犯者です。ステータス「再生能力:D」は伊達ではありません。なんだか嫌な予感がします。

そんなゲンちゃんですが、現在入院中であります。手術後絶食1週間とかいう苦行を乗り越え、少しずつ回復しているようです。その様子は、「ゲンちゃん人工肛門とさよならの巻【後編】」でお伝えします。

 

ゲンちゃん離乳食を召し上がる

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

赤ちゃんは通常生後5~6か月程度で離乳食を開始します。ゲンちゃんも生後6か月前後から少しずつ離乳食を食べ始めます。ちょうど腸閉塞で入院していた時期に開始しています。病院がしっかり作ってくれるから、栄養バランスも万全だね!

ゲンちゃんミルクアレルギーだった」でお伝えしたように、ゲンちゃんはミルク成分を受け付けません。それもあってか、事前にアレルギーの検査をしてもらいます。アレルギーは場合によっては死にもつながる危険性があるのでここは慎重にです。ゲンちゃんはミルク以外のアレルギーはないという結果が出て一安心です。もとい、食べさせるときにあれこれ考えなくていいので親が楽です。

最初は重湯なる「これただのお湯じゃね?」といったところから開始です。スプーンで与えるのですが、果たして飲んでいるのかわからないレベルです。看護師さんにも、「口をつけるくらいでも構いませんよ」とか言われて、「これ儀式なんじゃね?」と思っていたのも今は昔です。

退院してから少しずつ量と濃度(おかゆを7倍がゆから5倍にする等)を増やした今、とにかく食います。スピードこそ遅いですが、スプーンを口の近くにもっていくとほぼ口を開けて食べます。何でも食います。特に好きなのは果物系です。甘いものには目がない感じです。デブ一直線です。

この時活躍したのが、引き出物でもらったブレンダーです。中卒お父ちゃんの嫁が、ひたすらブレンダーで食べ物を細かくして冷凍します。中卒お父ちゃんの任務は、たまに冷凍された食べ物をレンジでチンしてゲンちゃんに与えるだけという簡単なお仕事です。妻には感謝してもしきれません。ブレンダーもそれまで使われたのが2回くらいだったので、大活躍できて満足していることでしょう。

そんなゲンちゃんですが、ただいま人工肛門を閉じるため入院しております。約9か月間苦楽を共にした人工肛門とお別れです。中卒おとうちゃん的にも、あんな面白・・・ゲフンゲフン・・貴重な体験ができ、別れがつらくてしょうがありません。この件については、また後日お伝えできればと思っております。

人工肛門のパウチ漏れお助けアイテム

あけましておめでとうございます。中卒お父ちゃんでございます。今年も早いものですでに約3%ほど過ぎてしまいました。今から年越しそばが楽しみです。

というわけで、今回は人工肛門とは切っても切り離せない「パウチからうんちが漏れる問題」のお助けアイテムについてご紹介いたします。新年からシモの話で申し訳ないです。ですが、いつあなたも鎖肛野郎と出会うか分からないのではないでしょうか。素敵なライフハックをお約束します。ちなみに対象は赤ちゃんの人工肛門です。恐らく、成人の場合はまた違うと思っています。

そもそも、人工肛門のパウチというものは粘着性のあるゴム状のものがお腹の皮膚に貼りついています。お風呂などにそのまま入れるという優れもので、多少の力でははがれることはありません。しかしあら不思議、朝起きてみると一部がはがれていてそこから「ブツ」がオハヨウゴザイマスしていることが頻発します。あくまで体感ですが40%くらいの確率ではがれます。「え?漏れたことないけど」等とおっしゃる親御さんは特殊能力者です。無視しましょう。

では、さっそくご紹介いたします。神から賜りしアイテム、その名も「エアーウォール」!!!!

肌が荒れない!すごいぞエアーウォール!

パウチ漏れが発生した際に、真っ先に試されるのが「テーピングで応急処置をする」ということが挙げられます。ところがどっこい、赤ちゃんの肌は非常に繊細です。肌のことを考え粘着力の弱いものだと「ブツ」の侵略を止められず、粘着力の強いものだと赤ちゃんの肌が荒れて赤くなってしまいます。ところがどっこいエアーウォール様は肌荒れを発生させないうえに粘着力が強いという、安い異世界転生物の主人公のようなチート能力を持っています。わが子の肌荒れと「ブツ」の侵略に心を痛めていた親御さんもこれで安心です!

因みに、中卒お父ちゃんの家ではテーピングだけでなく絆創膏も試しました。結果はご想像の通りで、一瞬で侵略されました。

腸閉塞の手術の痕に使える!無敵のエアーウォール!

ゲンちゃん退院が延長される」でもお伝えしましたが、ゲンちゃんは腸閉塞の後傷口が開いてしまいました。退院後も傷口は完全にはふさがっていなかったため、ガーゼの上にエアーウォールを貼っていました。パウチからかなり近い位置でのお仕事もこなしてくれた優れものであります。

大きい子供の絆創膏の上から貼れば水がしみない!やったぞエアーウォール!

中卒お父ちゃんにはゲンちゃん以外に娘がおります。その娘は元気よくお外で遊ぶことがあるのですが、どうしても転んで膝等をすりむいてしまうことがあります。するとどうしても傷がしみるため、お風呂に入るのを嫌がったり「傷口に絆創膏を貼ってその上をタオルで抑えろ!!!」などという要求を突き付けられます。

そこでエアーウォールですよ。防水効果があるため、絆創膏やガーゼの上に張ってあげればあら不思議、水を通しません。これには娘も大満足です。無事お風呂にも入れられてよかったよかった、ニパーなのです。

まぁ、活躍する場面はパウチだけではないのです。大きいお子様がいらっしゃる家庭でも、一家にひとついかがでしょうか。

中卒お父ちゃんの妻は「なぜもっと早くエアーウォールの存在を教えてくれなかったんだ・・・」とぼやいていました。プロの看護師さんでも知識の量に差があるようです。これは致し方ないと思っています。そんな悩める親御さんたちにぜひともお届けしたい!

もちろん、私は決してskinix社の回し者ではありません。本当ですよ。信じてください。いや本当にエアーウォールすごかったんだもん。

 

ゲンちゃん退院が延長される

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

腸閉塞の手術を無事終えたゲンちゃん。しばらくの間はミルクではなく点滴を打つことになりました。ねじれた腸を治したのですからすぐにミルクを飲めないのは当然なのですが、もちろんゲンちゃんは理解しません。「ミルクを飲ませろ!!!」の鳴き声に妻が心を打ちひしがれる日々が続きます。やっと飲めるようになっても、少しずつ元の量に戻すため「なぜもっと飲ませないのだ!!!」とお怒りでした。辛いっすよね。

ただ、当初2週間の入院が必要と言われていたのですが、順調に回復したゲンちゃんは10日目で退院してもいいというお許しが出ました、が、ここは流石ゲンちゃんなのです。退院の直前に傷を確認したところ、傷がふさがっていないことが分かり入院延長が決定しました。実は、腸閉塞の手術の際に切った箇所がパウチの接着部分と被っていたのです。本来ならば接着部分と被ってもいいようです。ただし、どうしても便が漏れることがあり、その際に傷の部分にかかってしまっていたようです。パウチを交換するのも中2日で早めに交換してしまうので、ドクターの確認も遅れてしまったのではと思っています。まぁ迎えに行った妻は、直前で延長を宣告されかなり落ち込んでいたようです・・・・ん?いや、ネタにしてたかな?中卒お父ちゃんの妻も順調に強くなっています。

この日から、パウチの貼り方の難易度が上がります。通常ならば円形の接着面なのですが、それをバームクーヘンのように一部切り取ります。切る量が多いとその部分が弱くなって便が漏れてしまいます。もちろん、傷にかからないように貼るのですが、とにかく傷の部分が接着面と近いのです。さらにパウチを貼るだけではありません。傷の部分にもガーゼを当てテープで止める必要があります。退院後も妻が貼っていたのですが、もう職人芸でした。自他ともに認める不器用な妻がパウチ職人になって、「今のが難しくて、円形で貼れていた時になぜ漏れていたのかわからない」と意味不明なことを言っているのには驚きを隠しきれません。人間って何とかなるんですね。

傷がふさがっていない状態のゲンちゃんの場合、傷口に膿(?)を吸うためにガーゼを当てます。ただし、初めの傷が深かった時には「傷口に綿を入れます」。何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をしているのかわからなかった。だって、そう表現するしかないのです。ドクターがぐいぐい綿を入れるのですが、その姿はまさにぬいぐるみ!巨大版ウーパールーパー人形の誕生です!因みに、ゲンちゃんは泣いたりしないので、痛くはないようです・・・・本当に痛くなかったのかな・・・・あれ・・・・。

とまぁ何だかんだありましたが、今は無事退院し元気に過ごしています。ただ、離乳食が始まった影響なのか若干便秘気味になることがあります。ガスもうんちも出ていないと「また腸閉塞か?」とひやひやする日々を送っております。

こんなゲンちゃんですが、年明けにとうとう「人工肛門を閉じる手術」に挑む予定です。ドクターの話では、その時も点滴で過ごす期間があるそうです。いやはや・・・・何事も起きなければいいんですがね・・・・。

2022年12月15日追記:大卒の妻から「退院は延長じゃなくて延期や!これだから中卒は・・・」というお叱りを受けました。確かにそうですよね。戒めとして、あえて修正は加えないことにしたのです。いつか見返してやるのです!