ゲンちゃん心臓の穴がふさがる

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

ダウン症の方の場合、どうしても合併症を持って生まれることが多いといえます。ゲンちゃんの鎖肛もその一つといえます。ただ、ダウン症の場合は心疾患、つまり心臓に何かしらの問題があることが多いようです。実はゲンちゃんもご多分に漏れず心臓に穴が開いておりました。今回はそのお話をさせていただきます。

心臓に穴が開いていて大丈夫なの?

特に医療の知識もない場合、「心臓に穴が開いている」などと聞いた日にはびっくり仰天なのであります。ところがどっこい、「いわゆる健常者の中でも、意外と心臓に穴が開いている人はそれなりの人数いる」そうです。そんな馬鹿なとお思いかと存じ上げますが、まずは心臓のイラストを見てみましょう。こんなイラストを用意しているいらすとやさんってホントすごいですよね。文字は中卒お父ちゃんが入れました。

見てのとおり、心臓は大きく右側の右心房・右心室、左側の左心房・左心室に分かれます。右心房・右心室が全身に酸素を配り終わった血液が集まり、肺に送られます。左心房・左心室はその肺から戻ってきた血液を再び全身に送り届けます。ざっくり言うと、右側は酸素が少ない血液、左側が酸素が多い血液といえます。

それを踏まえ、「心臓のどの位置に穴が開いているか」が重要になってきます。まず、右心室と左心室の間に穴が開いていた場合、何かしら問題が出る可能性が非常に高くなるそうです。右心室、特に左心室は「全身」に血液を送るほどの強い力を持っています。そんな強い力を持っている箇所に穴が開いていると、酸素が少ない血液と多い血液が混ざってしまいます。何かしらの問題が出そうなのは想像に難くないのです。

対して右心房と左心房の間に穴があった場合、意外と何ともないことが多いそうです。心臓といっても全体がドッキンドッキンしているわけではないということでしょう。そこまで大きい穴でなければ、日常生活を普通に送れる方が多いそうです。ここで最初の「健常者の中でもそれなりの人数がいる」につながります。ダウン症の赤ちゃんはしっかりと心臓のエコー検査を行います。ただ、健常者の赤ちゃんの心臓のエコー検査をすることはほぼありません。というか、何かしら問題が出たら検査するという流れになります。つまり、「心臓に穴は開いているけれど、何の問題もなく生きている人は相当数いる」と言えるのです。

え?ソースを出せって?ゲンちゃんの担当医さんに聞いたんだもん!

ゲンちゃんはどうだったか

というわけでゲンちゃんはどうだったかというと、右心房と左心房の間に穴が開いていました。とはいえ、2mmほどの小さい穴であったことと、グッタリして動かないなどの症状もなかったため恐らく問題ないだろうと判断されました。その2mmの穴ですが、約10か月の時をかけ無事ふさがったようです。これで心置きなく心臓に負担をかけられます。

とはいえ、心疾患を持っているダウン症の方は相当数います。苦労しているご両親やご本人の姿を見ると、ゲンちゃんは運がよかったと思う今日この頃です。

乱視の称号を手に入れたよ!

そんなゲンちゃんですが、ずっと受診できていなかった眼科に行きました。そして、無事乱視の称号を得てまいりました。ダウン症の場合、5~6割程度で眼に何かしらの異常があることがあるそうです。さらに、中卒お父ちゃんも嫁も超が付く近眼です。中卒お父ちゃんが裸眼で本を読むとすると、眼から10センチ以上離すともうだめです。全く読めません。眼に何かしら問題が出るのは、ある程度予想済みだったのです。ちなみに中卒お父ちゃんはレーシックを受けて、今では快適ライフを送っております。

それでは、「ひこうき~」を覚えたゲンちゃんでお別れです。本当に少しずつだけど確実に成長するもんなんですね。

ゲンちゃん鼻かぜをひく

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

ぬくぬくと生活した病院とは違い、病原体との戦いも始まったゲンちゃん。お姉ちゃん経由の鼻かぜをもらいました。子供がいる家庭のお家芸、子供から家族全員に風邪がうつるの法則であります。早朝覚醒に加え、「なぜ鼻から息ができないのだ!」という猛烈な訴えをするゲンちゃん、中卒お父ちゃんの嫁のライフがゴリゴリ削られます。ただ、たまにするくしゃみは「ペイン!!!!」です。癒されます。

そこで、まずは鼻づまり解消のため「鼻吸い機」を使います。え?「鼻吸い機」ってなんだですって?そういうものがあるんですよ。ハンディバキュームとでも言えばいいでしょうか。子供の鼻に管を突っ込んで鼻水を吸い取ります。そこで、ゲンちゃんのお顔をもう一度ご覧いただければと思います。

はい。テルマエロマエもびっくりの平たい顔族です。鼻の穴が小さいのです。管が鼻の穴から入り辛いのです。もちろんそんな管を入れることを何事もなく受け入れるほど、ゲンちゃんの肝っ玉は大きくありません。泣き叫ぶのを中卒お父ちゃんが抑え、妻が鼻吸い機で吸引します。ここでのポイントは、「母親が吸引する」です。吸引が終わり泣き叫ぶゲンちゃんを、「中卒お父ちゃん」が抱きしめてあげます。そして、「なんてひどいことをするんだ」という眼で妻を見て、ゲンちゃんの好感度アップを狙います。5回連続で行えば、晴れてゲンちゃんルート確定です。ただ、妻の好感度はダダ下がりです。注意しましょう。

ダウン症の子供ですが、健常児の子供と異なり風邪にかかりやすかったりします。また、「鼻が詰まる」→「鼻水が原因で中耳炎になる」→「中耳炎になったことに気付かず難聴になる」という悪魔のコンボが起きたりします。ダウン症の鼻づまりは油断ならないのです。というわけで、速攻耳鼻科に連れていかれるゲンちゃん。医療体制が充実している日本に感謝感激であります。

耳鼻科で出してもらったシロップ系の薬はまぁいいとして、鼻づまり用に漢方も処方されたゲンちゃん。こんな苦いものどうやって飲ませればいいんやねん的な心配も何のその、バナナに混ぜたら普通にバクバク食べます。こいつ・・・・本当に中卒お父ちゃんと同じ味盲なんだな・・・・。

薬の効果もあり、一週間ほどで完全回復したゲンちゃん。今では風邪をひく前より元気に寝返りしております。今回は何事もなくよかったよかったなのです。

ゲンちゃんInstagramデビューの巻

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

無事退院し家での浣腸生活に移行したゲンちゃん、娘の絶叫と中卒お父ちゃんのいびきに驚きの毎日です。そんなゲンちゃんですが、最近早朝覚醒なる技を覚えたようです。というのも、大体朝5時くらいから起きているようで「うーうー」とか「あーあー」とか叫びます。通常の赤ちゃんならば大泣きしてお母さんを困らせるという感じなのでしょうが、ゲンちゃんは泣きません、ただ叫びます。はい、お母さんが困ることは変わりません。

行き倒れの旅人のようにうつ伏せ状態でゲンちゃんのお腹をポンポンたたく中卒お父ちゃんの妻、そんな慰めなんのその、ゲンちゃんの叫びは止まりません。お手々をバタバタしながら叫び続けます。もちろんそうなれば妻にも限界が来ます。そこで中卒お父ちゃんにバトンタッチであります。

ただ、バトンタッチをしても中卒お父ちゃんにできることはありません。妻がやっていたことと同じようなことを自分の布団でポンポンたたいてあげます。というか中卒お父ちゃんは眠いので、ほぼ叩くことなく眠りの世界に落ちていきます。寝るのはお前じゃない、ゲンちゃんだ。

ゲンちゃんの叫びとバタバタは止まることを知りません。かわいいお手々で中卒お父ちゃんの人中、テンプル、ジョーを的確にヒットさせます。間違いない コイツ・・・中卒お父ちゃんを確実に・・・確実に殺しにきてる!いや、かわいいから許そう、でも眠ってくれ。

そんなゲンちゃんですが、この度Instagramデビューを果たしました。中卒お父ちゃんの妻のポエm・・・・・思いがこもった文章も掲載されております。もしよろしかったら、ぜひともフォローといいねをお願いいたします。

それゆけ!げんたろう
https://www.instagram.com/genchan_0426/

ゲンちゃん人工肛門とさよならの巻【後編】

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無事人工肛門閉鎖術を乗越えたゲンちゃん、ここからが本当の地獄の始まりです。そう、1週間の絶食です。お水も飲めません。ひたすら点滴で耐え忍びます。さらに、手術後のため傷口の痛みもプラスです。「え?さすがに痛み止めが投与されるでしょ」とお考えのあなた、はい、その通りであります。ただし、通常投与されている以上の痛み止めは、ボタンを押さないと投与されません。そんな面白ボタンを押すのは、なんと、お見舞いに来ている両親です。中卒お父ちゃんにそんなボタンを渡すとか、もうワクワクが止まりません。ゲンちゃんが痛そうに泣いているときに、ボタンを連打していたのは良い思い出です。ちなみに痛み止めはしっかり制御されていて、30分に一回しか投与できないようになっています。ボタンを連打しても全く意味はありません。

ただ、中卒お父ちゃんの妻は手術翌日の泣き叫ぶゲンちゃんを見て「お腹をすかして泣いているんだ!なんてかわいそう。オロローーーンオロローーーン」と自分も半泣き状態だったそうです。いや、早く痛み止めのボタンを押してやってくれ。案の定看護師さんが来て痛み止めのボタンを押したら泣き止んだそうです。意思の疎通って大事だね!

絶食中のゲンちゃんですが、腸液は出ているようです。というか、腸液をしっかり外に出してあげなければいけません。そのため、肛門に管というか、チュッパチャップスの棒のようなものを刺していました。あまり中に入らないように、テーピングを棒にぐるぐる巻いてあります。なんだかアナログで楽しくなってきます。ちなみにこの時は点滴、背中の麻酔の管、尿を排泄する管、肛門のチュッパチャップスと管だらけです。もちろん寝返りなんかできません。

そんな管だらけのゲンちゃんですが、手術の翌日には血の混じったうんちをぶっぱなしました。妻から報告をもらった中卒お父ちゃんも大喜びです。というか、まさか人の肛門からうんちが出て感動する日が来るとは思いませんでした。タイムマシンに乗って過去の自分に「お前は肛門からうんちが出て感動するんだ」と伝えても信じないことでしょう。いや、通報するな、そんな変態が話しかけてきたら。

辛い辛い絶食を乗越えれても、すぐに腹いっぱいのご飯は食べられません。まずは50ミリリットルのミルクを数回、次の日は100ミリリットル、その次の日はミルクを好きなだけ、そして最後に離乳食となります。「ミルクを少ししか飲めないときのゲンちゃんは泣き叫ぶんや!なんてかわいそう。オロローーーンオロローーーン」と泣いていた妻とは裏腹に、ミルクの量が少なくても特に泣かないゲンちゃん、あまり泣かないのはダウン症の影響なんでしょうかね。いろいろ危惧していたのに、かなり順調に回復しました。

危惧していたこととしてお腹の傷が開くのではというものもあったのですが、開いた傷はとても小さく、ガーゼと薬を塗れば大丈夫といったレベルでした。ゲンちゃん最後の最後で再生能力:Dの汚名返上、名誉挽回です。汚名は挽回するものではありません。ちなみに塗る薬の名前は「ゲンタマイシン」です。まるでゲンちゃんのための薬のような名前です。前回も含めてとってもお世話になりました。

なんだなんだありましたが、ひとまず無事退院が決まったゲンちゃん。ここからは、「ゲンちゃんストーマ奮闘記2:ゲンちゃんは鎖肛だよ」でもお伝えしたように、朝と夜に浣腸をしてうんちを一気に出す訓練がスタートです。もちろん、やり方は入院中にレクチャーをしっかり受けます。ただ、退院の前日に中卒お父ちゃんがお見舞いに行った際に、看護師さんがダース単位で浣腸液が入っている箱をニコニコしたご尊顔で渡してきたのです。ま・・・・まさかこれを持って帰れと・・・・。
はい。持って帰りましたよ。40過ぎたおっさんが缶ビール片手に浣腸液の入っている箱を持ち帰る様は、完成された変態としか言いようがありません。いつも「最近職務質問されないんだよねー。たまには声かけてほしいよねー。」とか言って本当にすいません。マジで今だけは職務質問しないでください。本当にすいませんでした。調子に乗っていました。ごめんなさいごめんなさい。

そういえば、ゲンちゃんは元々おとなしいからなのか、病棟の看護師さんに大人気でした。退院の時は看護師さんから「まだいていいんだよー」とか言われていました。仕事中なのにわざわざお別れを言ってくれた方もいらっしゃいました。へーーーーーモテるんだねーーーーーーすごいねーゲンちゃん、え?別に妬んでないっすよ!本当だからね!勘違いしないでよね!!!

 

人工肛門とお別れする前、今ではきれいなおへそがあります。

 

もう管は外れているのですが、寝返りできないように固定されたベストを着ているおゲン

 

退院直前で調子に乗るゲンちゃん