ゲンちゃん人工肛門造設術(もとい仙骨会陰式鎖肛修復術)を受ける

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

世間では某名門野球チームのスターのLINE情報がリークされ「〇〇穴確定」なる言葉が流行している昨今、ゲンちゃんはまさに「ケツの穴の場所を確定」する手術に挑みました。検査のため「朝にミルクを飲んでからは我慢させてください」という指示を病院から受け、いざ検査入院です。検査は一週間前で、前日入院、翌日に手術がスタートという流れであります。前回題名を「ゲンちゃん人工肛門造設術を受ける」と申し上げましたが、「あれ???これだと人工肛門2つにならね?」と思って調べてみたら、今回受けた手術は仙骨会陰式鎖肛修復術なる物だったようです。いやはや申し訳ない。
因みに、「〇〇穴確定」流行語大賞になるんですかね?あんなに世間で騒がれていたのにしっかりとヒットを打つS選手には、尊敬の念を感じている中卒お父ちゃんです。

鎖肛ってなに?

※すでに鎖肛についてご存じの方は読み飛ばしていただいて構いません。

鎖肛とは、肛門が無い状態を指します。正確に言うと、直腸が本来肛門がある場所に繋がっていない状態です。段階によって低位、中位、高位と別れ、この高さは「直腸の先がどの位置にあるのか」を指していると言えます。そのため、低位ほど症状が軽いと言えます。低位の場合は、生まれてすぐ手術を受けることで治療することができるようなのですが、中位、高位の場合は人工肛門を造る手術を行います。その後、今回ゲンちゃんが受けた「肛門を造る手術」を受けます。最後は人工肛門を閉じて治療が終わります。

仙骨会陰式鎖肛修復術とは

ゲンちゃんが受けた治療は、仙骨会陰式鎖肛修復術と言います。まず、おしりの線に沿って8センチほど切開します。そして、直腸を他の組織から剝がし、「恥骨直腸筋」と「肛門括約筋」に通して肛門部分に繋げます。最後に切開部分を縫合し手術終了です。
この治療の何が難しいかというと、まず「そもそも赤ちゃんだから小さい」ということが挙げられます。そのため体重6キロほどになるまで待つのですが、それでも小さいものは小さいです。
さらに「直腸を他の組織から剝がし」という部分も言葉で書けば簡単ですが、とてもリスクが高いのです。「他の組織」の中には尿道や精子に関する重要な組織も含まれます。もちろん事前にレントゲンなどでどのような位置関係にあるのかは調べます。ゲンちゃんの場合は比較的リスクが低そうだったのでよかったですが、そうでない場合は相当困難になるのではと素人ながら思うところであります。
加えて、「恥骨直腸筋」と「肛門括約筋」を通すというのも困難で、「肛門括約筋」に電気を流しピクピクさせて通す位置を確認するそうです。もうここまでくると職人芸ですよね。本当に執刀医には尊敬の念を感じてやみません。

素人考えだと、何か錐状のもので刺せばいいんじゃないと思うかもしれませんが、そんなことはないんです。最初はそんな方法かなと勝手に想像していた中卒お父ちゃんであります。本当に申し訳ない。

ゲンちゃんの手術はどうだった?

ゲンちゃんの場合は以前から手術日を指定されていたこともあり、中卒お父ちゃんと妻は比較的落ち着いておりました。一週間前の検査も「がんばってね~」といった感じでしたし、医師の説明もわかりやすく比較的余裕があったと言えます、そう、当日の手術が5時間ほど押す前までは。

当初手術の開始は午前中か12時くらいという話でした。ところがどっこい、直前に緊急手術が入って開始が16時になります。今回受けた手術ですが、そもそもで5時間ほど時間がかかります。前後の説明などを含めるとプラス1~2時間となります。無事手術が終わったのが22時、病院を出たのは23時でした。祝杯と称してストロングゼロ500mlを帰り道に空けたのは言うまでもありません。

因みに、ゲンちゃんの場合は「肛門括約筋」等の筋肉は比較的多いとのことでした。この筋肉がどの程度あるのかによって、予後が変わるそうです。この「予後」とは手術直後ではなく、将来排泄がうまくできるかという事であります。中卒お父ちゃんが人伝に聞いた話ですが、ダウン症ではない高位の鎖肛で筋肉が弱い子の場合、小学校高学年でもたまに排泄がうまくいかなかったりおならが我慢できなかったりするそうです。もちろん成長と共に改善されるでしょうが、冷たい世間の目の事を考えるといたたまれなくなったりする今日この頃です。

手術が終わった後は?

もちろん、手術が終わったよかったよかったさあ退院、とはなりません。2週間ほど入院します。最初の1週間は抱っこもできません。さらに赤ちゃんなのでコード等を抜いたり傷口をいじってしまわないように手を拘束します。いわゆる磔状態ですね。何だかかわいそうですが、ここはゲンちゃんのためと思ってぐっと我慢です。
さらに、1週間はお風呂も入れません。まぁ当然と言えば当然ですが、傷が開いてしまう可能性があります。ゲンちゃんの頭の脂漏性湿疹をなでなでして我慢我慢です。

ただ、1週間問題が無ければおしりに負担をかけないようにする条件付きで抱っこが解禁です。もちろんお風呂もです。うれしさのあまりEホンダのさば折を発動しそうですが、負担をかけないようにそっとベッドに戻してあげましょう。

ゲンちゃん退院する

2週間の入院期間を乗り越え、ゲンちゃんは無事我が家に帰還することができました。おしりの割れ目はまだまだ痛々しい感じでしたが、毎日お風呂上りにお薬を塗ることで日々よくなっています。因みにお風呂でおしりを洗う時には、やさしーーーーーーーく泡を塗って流すだけにします。もちろんゴシゴシこすってはダメです。注意しましょう。

帰還したゲンちゃんですが、だいぶ首が座ってきたかなといった感じです、が、磔状態の影響かしばらくは寝返りを忘れてしまっていました。「寝返り?なにそれおいしいの?」といった顔でこちらを見てきます。首すわりの技を覚えた影響で寝返りを忘れるとは、こいつやっぱりポケモンなのか?

やれやれこれで後は人工肛門を閉じる手術だけとなりました。もう中卒お父ちゃんの心の中では、ひぐらしのなく頃にのZ・E・R・Oが流れています!がんばったね!ゲンちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。Z・E・R・Oならその後は悪魔の脚本ですよね。

次回、「ゲンちゃん腸閉塞になる」に続きます。