ゲンちゃん寝返りを打つ

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

夜は確実に早く寝るのに、朝「フゴフゴ!」と叫びながら壁に足と手をバンバンぶつけ、中卒お父ちゃんの眠りを妨げるゲンちゃん。順調に大きくなっております。そんなゲンちゃんが寝返りを打ったのであります。なんだそんな事かと言われるかもしれませんが、当事者は狂喜乱舞です。寝返りを打ってうつ伏せになったと思ったら、首をあげて周りを見たりしております。でも、首が座っているテストでは全然頭がついてきません。こいつ・・・・やっぱりグウタラだな。

うつ伏せになるのはいいのですが、そこから仰向けに戻ることはできません。首も上がるのですが、大体30秒くらいで力尽きて突っ伏します。呼吸はできているのですが、「なぜ仰向けに戻れないのだ!」と怒りの抗議をしてきます。もちろん仰向けに戻しますが、くるりとうつ伏せになり以下ループとなります。

「ゲンちゃん微笑みを振りまく」でお伝えしたように、ダウン症の子の「初めて」を見る確率は高いだろうと予測していましたが、残念ながら初寝返りを見ることはできませんでした。妻と娘が遊んでいたら、いつの間にかうつ伏せになっていたようです。ただ、その日からよく寝返りをするようになりました。今では当たり前のようにコロコロしますが、そのたびなるべく褒めるようにしております、「がんばれゲンちゃん!」。

因みに、娘の記録を見ると大体生後4か月ほどで寝返りをしています。ゲンちゃんも4か月を過ぎたくらいで寝返りを覚えました。あれ???もしかしてこいつ天才か???

そんなゲンちゃんですが、現在入院中であります。鎖肛の手術、そう、人工肛門造設術、肛門を造る手術に挑んでおります。次回、「ゲンちゃん人工肛門造設術を受ける」に続きます。

ゲンちゃん親の会に参加する

ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。

ダウン症とは約500人に1人の確率で生まれると言われています。
そのため、「ダウン症に関する情報」というものは健常児と言われる子供たちに比べて圧倒的に少なくなります。
だから、ダウン症の子供を持った親というものは、「ダウン症に関する情報」に飢えていると言えるのです。
そんな「ダウン症に関する情報」だけでなく、ダウン症の子供を持った親が集まる「親の会」が存在するのです。
もちろん、中卒お父ちゃん家族も「親の会」に参加することになります。

親の会には、日本ダウン症協会が支部として認めている所や、ある程度地方自治体の援助を受けながら自分たちで運営する会があるようです。
どちらの方が良い等は、子供や親によって違うため一概には言えません。
ただ、中卒お父ちゃんの住んでいる地域の日本ダウン症協会の支部を見てみると、「今では会費を集めることだけが活動になってしまっています。」と堂々と認めていたりします。ある意味ありがたいです。
というわけで、地域密着の親の会に参加します。

親の会には「ダウン症に関する情報」が集まると書きましたが、かなり具体的で本当に役立つものが手に入ったりします。
例としては、「あの療育センターは方針が厳しく、他の療育センターに通っていると言うと断られる」や「愛の手帳を早めにもらう方法」、「どこの小児科が検査が充実しているか、比較的空いているか」等、明日から使える情報盛りだくさんです。
因みに、療育(発達支援)とは、障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることで、愛の手帳とは、知的障害の方に交付される手帳のことです。知的障害は1~4度で分けられます。「え?赤ちゃんの段階で知的障害とかわかるの?」と思ったあなた、鋭いです。わからないのですが、ダウン症の場合4度(一番軽度)とされることが多いようです(もちろん、成長したら障害の度合いが上下することはあります)。

それ以外でも紙芝居を読んだり一緒に体操をしたり、定期的に集まってイベントごとをしています。
親の交流会でもあるので、親御さんたちの精神的な癒しにもなっていたりするようです。
まぁ、心の汚れている中卒お父ちゃんは「マルチとかに勧誘されるかもしれない!!!!」とか思ったことは内緒です。

ただゲンちゃんの参加した親の会は、コロナの影響なのかこの2年間ほど新規に登録された人は0人だったそうです。
なんだかな~、と思う今日この頃なのです。

「ホーホー」の詩ができるまで:ダウン症に関する書籍紹介

皆様ダウン症に関する本を読んだことはありますでしょうか。
中卒お父ちゃんは、当事者になるまでただの一度も読んだことはありませんでした。
恐らく皆様も、読んだとしてもさわり程度ではないのでしょうか。
ただし、当事者になると読むんですよ。人間って結局自分に関係しないとだめなんですね。

というわけで今回ご紹介するのは、「「ホーホー」の詩ができるまで」(信田敏宏)です。
著者の信田敏宏さんは国立民族学博物館教授で専門は社会人類学・東南アジア研究です。そんな信田さんはダウン症の女の子(静香ちゃん)を授かります。その静香ちゃんが小学四年生の時に「ホーホー」という題名の詩を作り、「NHKハート展」に入選するという内容です。
ただし、この詩、滅茶苦茶いいんですよ。というか小学四年生ってこんなことできるのかと驚くとともに、ダウン症の子が作ったということで、希望を持てる一冊となっております。
さらに、静香ちゃんの成長に合わせて、どういうことに注意し具体的にどのように成長を促したが書かれていて、大変参考になります。例えば、静香ちゃんがハイハイを始めたころ、お母さんの眼鏡に興味を持っていたので、眼鏡を置いてその場所までハイハイさせるということをしていたそうです。これはやってはいけない方法で、ダウン症の子は覚えるまでもゆっくりだけど、一度覚えたことを修正するのはそれにもまして時間がかかるそうです。眼鏡の場所までハイハイさせるということは、「眼鏡が無いとハイハイしない」ということと「眼鏡のような壊れやすく大切なものをおもちゃとして認識してしまう」ということにつながってしまうそうです。

そしてなんといっても、ご両親が静香ちゃんの心を育てようとしているのが伝わります。様々なものに興味を持たせ、サポートする姿には、「これ・・・・・俺にできるのか?」と勇気と共に若干の焦燥感を抱かせてくれる事間違いないです。まずはできることからコツコツですね。

「ホーホー」の詩ができるまで