ゲンちゃん成長期は、ダウン症のゲンちゃんの成長を見守る成長日記です。
生後約9か月、とうとうこの日がやってまいりました。そう、人工肛門とおさらば、もとい、人工肛門閉鎖術が行われるのです。夢と思い出とブツが詰まっているパウチともお別れです。あまりにも人工肛門がある生活に慣れてしまって、なくなるという実感がわいてきません。正常に狂ってきてますね。
ゲンちゃんのケースでは、まず検査を受けます。手術の数日前に検査するのですが、鼻水が出ていた影響でPCR検査も追加されます。もちろん、はやり病にかかっていたら手術は延期です。結果は「電話がかかってこなければ陰性」と言われているので、妻と中卒お父ちゃんはソワソワする生活を強いられます。まぁ、結果陰性だったのでよかったよかったです。
手術の内容としては、まず人工肛門として出ている腸をお腹からはがします。そして、腸を外に引き出して硬くなった組織を5センチメートルほど切ります・・・・・はい、「腸を引き出します」ホラー映画も裸足で逃げるレベルです。ちなみに切る部分は人工肛門として外に出ていた部分です。そのままだと硬すぎてくっつかないようです。ちょうど口方面につながっている部分2.5センチ、肛門方面につながっている部分2.5センチといった感じのようです。そのうえで、切った部分を縫合し、ぬいぐるみよろしく体内に腸を戻します。最後におへそ部分を縫合して終了です。付け加えると、しっかりおへその形を作ってもらえます。手術が終わったらおへそが無くてツンツルテンになると思ってた妻も一安心です。
時間としては、前後の説明なども含めて4時間ほどが予定されています。ゲンちゃんの場合は4時間半だったので予定通りといった感じです。手術は朝一番の時間だったので、ゲンちゃん以外の赤ちゃんたちもどんどん手術室に運ばれていきます。中卒おとうちゃん的には、なんだかどんどん出荷されているように見えて、頭の中ではドナドナが流れます。ちなみに赤ちゃんたちが手術から戻ってくる時間も比較的集中します。ご両親の「〇〇ちゃんがんばったね~」という声を聴きたければ、13時前後を狙うのがおすすめです。
無事手術を終えることができたゲンちゃんなのですが、担当医の先生から手術前に気になる一言があったのです。曰く、「人工肛門を閉じた後の傷跡には、今までにないほどの雑菌がいる」そうです。そのため、傷口が再度開く可能性が高いというものです。ゲンちゃん退院が延長されるでお伝えしましたように、ゲンちゃんは傷が開いてしまった前科があります。ちなみに、肛門を造る仙骨会陰式鎖肛修復術でも傷が開いていたようです、立派な再犯者です。ステータス「再生能力:D」は伊達ではありません。なんだか嫌な予感がします。
そんなゲンちゃんですが、現在入院中であります。手術後絶食1週間とかいう苦行を乗り越え、少しずつ回復しているようです。その様子は、「ゲンちゃん人工肛門とさよならの巻【後編】」でお伝えします。