2020年5月現在、世間様のお話はコロナウイルス一色であります。おそらく、緊急事態宣言が解除されてからも当分の間続くのでしょう。というわけで、「ならば今のうちにウイルスのこと勉強しておこう」となったのであります。
コロナウイルスは、というわけではなく、ウイルスってそもそも何なのかについて中卒お父ちゃんが調べた内容をお伝えいたします。
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ウイルスとは?
そもそも、ウイルスとは何ぞという疑問です。実ははっきりと定義されているわけではないのです。生物学辞典では「限りなく生物に近い物質とみなす」となっております。では生物とは何か。生物の定義としてさまざまありますが、代表的なものとして「境界・自己増殖・代謝」の3つが備わっていることが挙げられます。
境界とは、細胞膜という境界があることです。自己増殖とは、自ら同じものを増やすこと、細胞分裂のことです。代謝とは、細胞内にエネルギーや物質を取り込み、袋の中でエネルギーを生み出して新しい物質を作る等の一連の流れのことを指します。
ウイルスは自身の中でエネルギーを生み出すことができません。ほかの細胞に入り込んで、その中のシステム(セントラルドグマ)を利用することで自分と同じウイルスを作っているのです。そういった意味では、「生物ではない」といえるのですが、もし前提として「代謝にはほかの細胞を利用しても良い」となると、「生物である」とも言えてしまうのです。
ちなみに、バクテリアであるマイコプラズマは、ほかの細胞に寄生しないと生きていけなかったりします。
ウイルスの構造
では次に、ウイルスの構造についてご説明いたします。ウイルスの構造は、核酸の周りをカプシドというたんぱく質が覆っています。核酸ってなんだよ、と思われると思います。これは、DNA(またはRNA)のことで、DNAのことをデオキシリボ核酸(RNAはリボ核酸)といいます。さらにその外側をエンベロープという脂質に覆われているタイプもあります。エンベロープがないタイプをノンエンベロープウイルス、エンベロープがあるタイプを総称してエンベロープウイルスといいます。うん、そのまんまだから覚えやすい。
ちなみに、コロナウイルスの野郎はエンベロープウイルスです。よく画像で出てくるとげとげの外見はエンベロープなのであります。このエンベロープはアルコールや界面活性剤(要するに石鹸)で壊すことができるので、手洗いは予防に有効なのであります。むしろノンエンベロープウイルスの方がカプシドに覆われているので、がエンベロープウイルスと比較すると手洗いの効果が落ちてしまうそうです。
ウイルスはどうやって増えるのか
ウイルスはほかの細胞に入り込まないと増殖できません。では、どうやって増殖しているのか。DNAからたんぱく質をつくる「セントラルドグマ」というシステムが関係しています。
人間をはじめ生物は、DNAからRNAを作り(転写といいます)、そのRNAがたんぱく質を作ります(翻訳といいます)。ざっくりいってしまうと、DNAからたんぱく質を作っているのです。ウイルスはそのセントラルドグマを利用して、自らを増殖させるのであります。本来、体のもととなるたんぱく質を作るはずが、DNAという設計図を変えてしまうことでウイルスを作らせているのであります。いやはやゾンビ映画もびっくりだ。
ウイルスが役に立つ?
こんなゾンビ製造工場みたいなことをするウイルスは敵である!滅せよ!!!と言いたいところなのですが、実は役に立っていたりもするのです。というよりも、それなきゃそもそもで人類いないじゃんとなるくらいのものであります。
そのうちの一つが「胎盤」です。はい。子供が生まれるときのあの胎盤です。いや、本当ですって。あとで参考文献出しますから。
胎盤は、胎児を包むように子宮の内部をほとんどカバーしています。そして、母親からの栄養を胎児に届けるめちゃくちゃ重要な役割を担っております。この胎盤の形成にかかわる遺伝子のことを「シンシチン」といいます。このシンシチン遺伝子が、かつてウイルスだったとき、エンベロープを構成するたんぱく質を作る遺伝子だったことが分かったのであります。すごいぞウイルス!
もっと身近なところだと、腐りにくいソーセージの開発にもかかわっております。ウイルスといったって、何でもかんでも人間に悪影響を与えるわけではありません。体内に取り込んでも、何の害もないウイルスも相当数います。で、バクテリオファージという、食中毒の原因となる菌に感染するウイルスを食物添加物として加えるというものです。菌にのみ感染して人体に影響がないので、食中毒を防ぐことができるのです。うん、こっちのほうがイメージしやすい。
それにしても、コロナウイルス騒動どうなるんですかね。夏場もマスク着用とか、熱中症でぶっ倒れる人の方が多くなるような・・・。